eスポーツのメリット
純粋な実力のみで競うことができる
やはり一般的なスポーツと違い、平等に同じ土俵に上がれることだ。例えばボクシングだったらライト級、ヘビー級などの階級がある。ヘビー級とライト級が戦うことはほぼなく、そこには”体格差”という壁が広がっていく。
しかしゲームはコントローラーを握ることさえできれば、あとは平等である。体格差、年齢差、肌色の違いなどに左右されることはなく、ただ単に”誰が一番ゲームが上手いか”を比べることができる。
それだけ強さを純粋に求められるゲームだからこそ、eスポーツという概念が生まれるのだ。
関連記事→『eスポーツとは?10項目からe-Sportsがどんな競技なのかを紹介!』
どこにいても競える手軽さ
ゲームはどこにいても好きな相手と切磋琢磨することができる。特に近年の通信環境の向上により、たとえ地球の裏側の相手とも格闘ゲームやFPSなどといった瞬間瞬間が重要になるものも対戦が可能になったのは大きく、今この時代だからこそ、ゲームのeスポーツ化が進んだと言っても過言ではない。
一方通常のスポーツは広大なフィールドとプレイヤーを一定数用意する必要があり、遠い国への遠征などでは莫大な時間と資金を消費することも珍しくない。
ただ先に戦う相手が決まっており、対策を立ててから試合に臨むといった箇所に関しては、ゲームも同じく特定の相手にメタれる戦略を立てて動くなど共通点もある。
機械の目で性格なジャッジが為される
ゲームの場合は60分の1秒である1フレームの判定を正確に勝敗に反映させることが可能だが、人間の行う審判にはどうしても限界がある。
近年はようやく判断できなかった場合、スローモーションカメラにおける再確認を行うなどと言った技術の利用が増えてきた。しかし審判も人間なので、裏金を受け取って特定のチームに有利な判断を下す可能性もある。ゲームの場合不具合さえ起きなければ正確に、時としては無慈悲に判断を下す。
前述した通りプレイヤーは全く同じ土俵に立ち、100%一定のルールの中で戦うことができる。
怪我や死亡リスクの軽減
スポーツは体を張って最大限の力を込めて行うものだ。
ここで考えなければならないのが、事故による怪我、ひどければ死んでしまうなどのリスク面で、特に相手にタックルするラグビー、アメフトや、しょっちゅう転んでは痛がっているサッカーなども怪我のリスクが高い。
ただゲームに関しては良くも悪くもソファーに座って、指を動かすだけ、というのが一般的だろう。よほどのことがないと指に怪我をすることはないので、非常に安全なスポーツとも言える。言えるので、コントローラーに八つ当たりして破壊した、などといったことはやめておこう。
本気で取り組むことによる脳の活性化
日本ではゲームをやると頭が悪くなると信じられていたが、それが大きな間違いであると判明したのは最近の話である。
むしろゲームをプレイすることによって得られる恩恵は多く、創造性、マルチタスク能力の向上、記憶力や運動能力のアップ、判断力や注意力、動体視力の向上など、様々な利点があることが判明している。
例えばRPGなどの長いストーリーを追っていくゲームではテキストが多く表示されるため、言語能力の向上につながっているなどの研究結果もあるぐらいだ。
国語が苦手な息子に頭を悩ませている場合は、有名どころのRPGを遊ばせると良いかもしれない。
eスポーツのデメリット
競技種目が年によって変更される
まずeスポーツに関わるプレイヤーの頭を悩ませるのが、一つのゲームを極めきる前に新しいゲームや既存タイトルの続編が登場してしまうことである。
関連記事→『【2019最新版】eスポーツの人気ゲームはどれ?世界が熱狂しているタイトルをまとめてみた』
例えばサッカーや野球であれば、基本的にルールは変わらない。なので実力を高水準に保ちつつ、次の相手への対策や戦略を考えていける。これに比べてゲームはどんどん新作が登場し、スポンサーのゲーム会社は新作での大会を開くため、逐一仕様の把握から始まる。
つまり、定期的に築き上げてきた経験値をリセットされ、また一からと言った、ローグライクRPGのような状態になってしまっているのである。まさかリアルが不思議なダンジョンになるとは思わなかった。
ゲームを知らないと勝敗が分かりづらい
さっきからサッカーばかりを引き合いに出していて恐縮だが、サッカーであればボールを足で操ってパスをつないで敵をかい潜り、ゴールにボールをねじ込めば勝ちというわかりやすさがある。
野球であればそんなにルールがわからなくても、とりあえずホームランが出れば歓声が上がる。
ゲームに関してはそうはいかない部分もある。格闘ゲームやシューティングゲーム、そしてそれこそサッカーのゲームもあるので、誰が見ても勝者がわかりやすいものももちろんある。
ただRTSや、MOBAなどのジャンルに精通していないと戦況がわかりづらいタイトルも多く存在する。これに関してはめちゃくちゃに実況や解説ができる人を連れてきて、状況説明を詳しくやってくれ!と個人的に思う部分である。
eスポーツの課題
ハード、ソフトといった初期コストがかかる
もっとも金のかからない競技は多分徒競走だ。もちろんベストなシューズや着用するウェアなど拘っていけばキリがないが、最悪裸足でそこらを走ればいいのが走行系スポーツの大きなメリットである。
一方eスポーツはというと、初期投資がかかってしまうのが苦しいところだ。
やりたいゲームがあっても、やれコンシューマーのゲームを3〜6万で購入し、やれコントローラーやソフトを追加で購入とやっていくにはお母さんを口説き落とす必要がある。
しかし大体の子供は泣くだけで、大人は経済面の苦しさを頭の片隅に置いて、腕を引っ張って駐車場に連れて行くというなんとも悲しい光景が今日もどこかで見られることだろう。我らが日本でもこの騒ぎであるので、どうしても貧富の差が生まれてしまうのが今後の課題だ。
近い未来には、スマホなどに画面だけ表示して、実際のロードやコマンド操作の反映などはクラウド上で行う、という技術ができるらしい。世界中の子供達がスマホの次は月額制課金のために泣きわめく。ゲーム業界の未来は明るい。
”害のある娯楽”という固定概念の解消
かつて日本全国に広まった”ゲーム脳”という言葉を覚えているだろうか。ゲームをプレイしている最中の脳を計測したところ、脳のβ波が低下していると発表され話題を呼んだ。
これが真っ赤な嘘であり、前述した通り、実際には脳を活性化させるなどのメリットがあるのだが、この事実が浸透していないのが悲しいかな現状である。
少子高齢化の日本において、ゲームに対する風当たりは強い。ゲームが娯楽に過ぎないという誤った認識を持ち続けているのが、悲しいかな日本の現状である。
プレイヤー同士の過激さ
特に対人勢は、時として凄まじい暴言を相手にぶつける。負けた時、勝った時、無能なパートナーと戦った時etc……
いくらゲームへの固定概念を解消し、環境を整備し、いざeスポーツの時代が始まる!という時に公式試合開幕でリアルファイトが始まったらたまらない。ますますゲームへの印象が悪くなり、暗黒の時代が始まることだろう。
暗黒面に堕ちたゲーマーの量産を防ぐには、プロゲーマーたちへ徹底した教育を施すか、定期的なカウンセリングを受けるなどの措置が必要なのだろうか……。
eスポーツのメリット、デメリットのまとめ
今回はeスポーツのメリット、デメリットに触れた。勿論、メリットの方が多く、eスポーツ化していくこれからのゲーム業界は明るい!と個人的には思っている。
しかしデメリットや課題も少なからずある。善と悪は表裏一体とはこのことである。あっちを立てればこっちが立たぬのである。
難しい問題ではあるが、eスポーツはまだまだこれからの業界なので、ゲームがさらなる発展を見せてくれると未来に期待しましょう。