eスポーツ(e-Sports)とは?
eスポーツとは、エレクトロニックスポーツ(electronic sports)の略称です。
広義的にはコンピューターゲームを用いて行った対戦を、スポーツ競技として捉えた際に「eスポーツ」と呼んでいます。
「eスポーツ(esports)」とは、「エレクトロニック・スポーツ」の略で、広義には、電子機器を用いて行う娯楽、競技、スポーツ全般を指す言葉であり、コンピューターゲーム、ビデオゲームを使った対戦をスポーツ競技として捉える際の名称。
引用:JeSU
日本だとまだまだ認知度が低く、「ゲームなんてスポーツじゃないじゃん」と思っている方も多いのですが、アメリカを始めとした先進国では既に「eスポーツ」をれっきとした「スポーツ」として認めています。
また、eスポーツの選手である「プロゲーマー」を、「スポーツ選手」である事も認めており、賞金規模が数千万円〜数億円の大会も多数開催されています。
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その結果、日本は世界から見ると「eスポーツ後進国」と呼ばれており、一般社団法人日本eスポーツ連合(JeSU)がその知名度の向上に力を入れているとはいえ、まだ名前すら知らない人も多数いる状況になっています。
ただ日本でも2018年辺りからeスポーツに対して様々な企業が力を入れているので、将来的にはかなりの市場規模になる事が予想されています。
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eスポーツ(e-Sports)の人口はどれくらい?
そんなeスポーツですが、世界でみると競技人口は1億人以上(※ヤフーニュース調べ)と言われており、競技人口を除いた観戦者や配信の視聴者は3億8000万人以上と言われています。
一方で日本のeスポーツは競技人口は390万人、競技人口を覗いた観戦者や配信の視聴者は160万人と、世界と比べると非常に少ないです。
この辺りは、今後eスポーツのテレビなどでの露出が増えて知名度が上がってくれば、日本でも人口が増加する事が予想されます。
日本におけるeスポーツの歴史は?
日本における最古の全国規模のeスポーツ大会は、文献に残っている限りだと1974年に開催された、「セガTVゲーム機全国コンテスト」と言われています。
また、ゲームで賞金を得るのを生業としている「プロゲーマー」は、1997年にアメリカで設立された「サイバーアスリート・プロフェッショナル・リーグ(CPL/米)」が起源となり広まったようです。
同リーグが翌年に今となっては一般的な賞金制の大会を開催し、それをきっかけにゲームの競技化やプロ化が進みました。
日本でも2000年にはプロゲーマーが誕生していたのですが、当時の知名度のせいもあって世間で知られることはなく、活動は短期で終了してしまったようです。
ただ2010年にはあの「梅原大吾」さんが日本人初のプロ格闘ゲーマーになった事をきっかけに、ネットやメディアで注目されるようになり、国内での認知度も上がっていきました。
eスポーツの賞金はどのぐらい出る?
dota2では賞金総額27億円の大会が開催!
そんなeスポーツの気になる賞金ですが、dota2の公式世界大会『THE International 2017』では、eスポーツ史上最高額となる27億円もの賞金が払われました。
同大会の1位チームには12億円の賞金が支払われており、以降も「LoL」や「フォートナイト」などの人気タイトルで続々と高額賞金の大会が開催されています。
賞金はどこから来ている?
では、なぜこの大会ではこれほど高い賞金を出すことができるのでしょうか?
実はdota2には大会関連のゲーム内アイテムが購入されるたびにその25%が賞金に上乗せされる、という仕組みが導入されていたのです。
この仕組みによって、当初は基本賞金総額約2億円だった大会が、27億円にまで膨れ上がったという経緯があります。
国内でも賞金総額1000万円以上の大会が!
日本でも最近は高額賞金の大会が開催されており、たとえば国内最大級のeスポーツ大会である『RAGE』では、3ヶ月に1度という高頻度の開催スピードながら賞金総額1000万円を誇っています。
これはRAGEの開催元であるCyberZは日本のeSports促進に力を入れているおかげで、それによりこれだけの賞金総額の実現に繋がっています。
ちなみにRAGEのメインタイトルは日本で人気の「Shadowverse」ですが、他にも世界で親しまれている「ストリートファイターⅤ」や「サーヴァントオブスローンズ」などのタイトルでの開催実績もあります。
eスポーツ(e-Sports)となるゲームの条件
eスポーツとなるタイトルと、eスポーツにならないタイトルの違いですが、一般的には以下の通りと言われています。
1:ゲーム内容に競技性が含まれること(競技性)
2:ゲームとして3か月以上の運営・販売実績があること(稼働実績)
3:今後もeスポーツとして大会を運営する予定があること(大会の継続)
4:e スポーツとしての大会の興行性が認められること(興行性)
引用:JeSU
要約すると3ヶ月以上の運営・販売実績があり、今後もゲーマーが対戦する大会を継続的に開催する予定のある競技性や興行性が認められるタイトルである必要があるという事です。
上記の条件を満たしていればどんなジャンルのゲームでもeスポーツ公認タイトルとなりうるので、その受け皿は一般的なスポーツ競技よりも広いといえるでしょう。
eスポーツ(e-Sports)にはどんなタイトルがある?
FPS(ファーストパーソンシューティング)
FPSとはプレイヤー本人の一人称の画面で敵や化物と戦う、シューティングゲームの一種です。
よく勘違いされやすいのですが、TPSとはプレイヤー自身のキャラクターが見えるかどうかという差があります。
FPSは一人称であるが故にTPSと違って視界が限られているため、それらを活かした戦術や連携が必要なゲーム性になっている事が多いです。
- カウンターストライクシリーズ
- Quakeシリーズ
- Haloシリーズ
- バトルフィールドシリーズ
- コールオブデューティーシリーズ
- スペシャルフォースシリーズ
- サドンアタックシリーズ
- オーバーウォッチ
- Alliance of Valiant Arms
- クロスファイア
- Gears of Warシリーズ
- レインボーシックスシージ
TPS(サードパーソンシューティング)
TPSはFPSと同様にシューティングゲームの一種ですが、先程ちらっと触れたように主人公がまるごと見える三人称で描かれているのが最大の違いです。
ゲーム性は基本的にFPSと一緒で、銃などの武器で敵や化物を倒すのが目的となっています。
ただ視点がFPSも広いことにより、戦術性やアクション性もFPSと差別化が取られているゲームが多いです。
- PUBG
- フォートナイト
- スプラトゥーンシリーズ
- World of Tanks
- 荒野行動
RTS(リアルタイムストラテジー)
RTSとはリアルタイムに進行していく戦況や状況に応じて、プレイヤー独自の戦術や戦略をもって敵と戦っていくシミュレーションゲームです。
日本ではFPSやTPSと比べるとあまり知名度がないジャンルですが、eスポーツでこそないものの信長の野望シリーズが有名なタイトルとして存在しています。
- StarCraftシリーズ
- Warcraft シリーズ
MOBA(マルチプレイオンラインアリーナ)
こちらも日本ではあまり知名度が高くないのですが、世界的に有名な大手eスポーツタイトルが存在しているジャンルです。
FPSと違い敵の撃破ではなく、チーム選で戦い敵の本拠地を破壊することを目的としてるのが最大の特徴です。
また、複数のプレイヤーによりチーム同士で戦うので、攻撃や防御への人数の割り振りやメンバー間の連携が非常に重要になってきます。
スポーツゲーム
名前の通りサッカーやバスケットボールといった、スポーツを題材にしたシミュレーションゲームの事を指します。
eスポーツの中でも古参のジャンルで、実際の選手のデータを元に作成されたFIFAシリーズを筆頭に、10年以上の歴史を持つタイトルが多数名を連ねています。
- FIFAシリーズ
- ウイニングイレブンシリーズ
- NBAシリーズ
- パワプロシリーズ
- ロケットリーグ
レーシングゲーム
昔からゲームセンターにある、乗り物(実在していないものも含む)を操縦士、他のプレイヤーとタイムや順位を競うシミュレーションゲームです。
最近の作品はその非常に高いグラフィックから、カーシミュレータとして購入する人も増えています。
また、レーシングゲームのeスポーツ大会はスポンサーとして本物の自動車メーカーが関わっているケースもあり、賞金規模も大きなものが多いです。
- GRAN TURISMOシリーズ
- フォーミュラーワンシリーズ
- rFacotorシリーズ
パズルゲーム
日本ではテトリスやぷよぷよが有名なパズルゲームも、近年ではeスポーツ大会が盛んに開催されるようになっています。
次々に落ちてくるピースを迅速に組み合わせることで相手に攻撃をする戦略性は、FPSやMOBAとはまた違った目の離せなさがあります。
- TETRISシリーズ
- ぷよぷよシリーズ
TCG(トレーディングカードゲーム)
もともとはテーブル上で大会が行われる事が多かったMMORPGも、最近ではeスポーツとして大会が行われるようになっています。
運要素も絡みますが、高い頭脳や戦略性があるので、ハーフストーンシリーズを筆頭に世界中で人気が高いです。
ちなみに日本ではタイトルにもある通りTCGと呼びますが、英語圏ではCCG(Collectible Card Game)と呼ばれることが多いです。
- ハーフストーンシリーズ
- シャドウバース
MMORPG
ラグナロクオンラインやFFシリーズなどで有名なMMORPGも、一部タイトルの競技性や格闘性が評価され、eスポーツ大会が開催されています。
下記で紹介しているブレイドアンドソウルは、賞金総額や大会規模も非常に大きいです。
- ブレイドアンドソウル
オンラインストラテジーゲーム
日本ではシミュレーションゲームの1つとして認識されていますが、ストラテジーゲームもeスポーツ大会が開催されています。
- クラッシュ・ロワイヤル
音楽ゲーム(音ゲー)
世界ではまだまだ知名度が低いものの、ゲームセンターを中心に人気の音楽ゲームもeスポーツの大会などが開始されています。
ただトロフィーの授与のみで賞金がなかったり、プロゲーマーライセンスの発行が行われたのが2019年の1月とまだ日が浅いため、今後の発展に期待のジャンルと言えるでしょう。
関連記事→『eスポーツに音ゲー部門がないのは何故?世界大会では賞金が出るの?今音ゲーが危ない』
- 太鼓の達人
- maimai
- ビートマニア
格闘ゲーム
プレイヤーの操作するキャラクターが一対一で戦う対戦型ゲームで、日本では格ゲーの通称で各地のゲームセンターで毎日激戦が行われています。
対戦相手の体力を0にした方が勝利というその分かりやすくも優れた競技性から、プレイヤーでないユーザーにも勝敗が分かりやすく、大規模な大会だと配信を数万人が見ていることも珍しくありません。
- ストリートファイターシリーズ
- 鉄拳シリーズ
- DEAD OR ALIVEシリーズ
- ソウルキャリバーシリーズ
- BLAZBLUEシリーズ
- GUILTY GEARシリーズ
- キングオブファイターシリーズ
- 大乱闘スマッシュブラザーズシリーズ
その辺りについては以下の『【2019最新版】eスポーツの人気ゲームはどれ?世界が熱狂しているタイトルをまとめてみた』などの記事で各タイトルの詳細や賞金情報、プレイヤー数などを詳しく紹介しています。
ぜひ合わせて参考にして下さい。
関連記事→『【2019最新版】eスポーツの人気ゲームはどれ?世界が熱狂しているタイトルをまとめてみた』
関連記事→『eスポーツの種目について』
eスポーツ(e-Sports)でオリンピックに選ばれた競技はこれ!
そんなeスポーツが特に注目を集めたのが、2018年8月18日からジャカルタで開催された、『アジア競技大会』です。
同大会でeスポーツはデモ競技に選ばれ、これまで日本でeスポーツを知らなかった方にも一気に名前が知れ渡るきっかけとなりました。
アジア競技大会はアジア版のオリンピックとも呼ばれており、将来的に2022年に中国・杭州で開催される第19大会において、公式スポーツプログラムとして採用される事も決まっています。
以下にそんなアジア競技大会で採用された、eスポーツタイトルの一覧をまとめました。
- ウイニングイレブン2018
- クラッシュ・ロワイヤル
- StarCraft Ⅱ
- ハーフストーン
- リーグ・オブ・レジェンド
上記タイトルには日本から代表選手となるプロゲーマーを派遣されており、当時は界隈全体が非常に盛り上がりました。
関連記事→『【TGS2018】アジア競技大会日本代表選手の凱旋報告会レポート!異国の地で選手は何を見た?』
2022年に中国・杭州で開催予定のアジア競技大会では、eスポーツがメダル種目になるようなので、ぜひとも日本代表選手には頑張って欲しいところです。
盛り上がり次第では一度は絶望的と言われた正式なオリンピックへの採用も期待できるかもしれません。
eスポーツ(e-Sports)関連の仕事にはどんなものがある?
- プロゲーマー
- プロゲーマー事務所スタッフ
- ゲーム実況者
- 大会運営
- ゲームマネージャー
- ゲームライター
残念ながら日本ではまだまだ知名度の低いeスポーツですが、実は上記を見ての通りそれに関わる仕事は案外多いんです。
「eスポーツに関わる仕事をしてみたい!」という方は、eスポーツ関に就職するのを目指してみてはいいかもしれません。
eスポーツ(e-Sports)大会にはどんな種類がある?
世界的にプロフェッショナルのeスポーツ競技会として認められている大会は、大きく分けて下記の8種類があります。
どれも大手技術系企業がスポンサーとなっており、そこから多額の賞金や選手の旅費、開催費用などが提供されています。
- ESL(インテル・エクストリーム・マスターズ)
- Cyberathlete Professional League
- World Series of Video Games
- World Cyber Games
- World e-Sports Games
- ESWC
- Evolution Championship Series
- Major League Gaming
eスポーツとはまとめ
今回はeスポーツとはなんなのか、またその人口や賞金などについて紹介していきました。
残念ながら今の日本はeスポーツでは後進国となっていますが、JeSUやプロゲーマーの活躍により知名度は日々上がっていますので、将来的には日本でも韓国のように子供の夢の上位にプロゲーマーが書かれる時代が来るかもしれません。
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