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何故、韓国はeスポーツに強いのか
プロゲーマーを目指せる土台の有無
何故、韓国ゲーマーはeスポーツに強いのか。端的に言ってしまえば、ゲームを受け入れた当初から現在に至るまで、ゲームのことをメインカルチャーとして受け入れている、と言う点が挙げられる。
韓国でゲームに接している人々の割合は実に日本人の2倍いるとされており、数時間延々とプレイすることに大きな違和感を感じることは極めて少ないとのことだ。
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一方日本にとってのゲームはあくまでも遊びであり、全国の父母たちは勉強を優先してほしいと叫ぶばかりである。このような環境でゲーム、そしてeスポーツの普及が進んでいくのは難しい。
韓国の方がゲーム世代が多い
前述した通り、日本でのゲームは遊びとしか受け入れられず、年齢が高い人ほどその傾向は強いだろう。そこで日本と韓国の人口ピラミッドを比較してみるとある仮説が立てられる。
まず韓国は日本に比べて少子高齢化が進んでいない。少子化自体の傾向は見て取れるものの、日本のように高年齢層が高い数値を示しているほどではない。
次に韓国の年代人口のボリュームゾーンに注目すると、50代の人口がもっとも多く、20代までなだらかにそのボリュームゾーンが続いている。日本と決定的に違うのは、ゲームに対して関心があるものと思われる働き盛りの若い世代が多いことだ。
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あくまでも仮説だが、ゲームを批判するような年齢層が日本に比べて少ない+その分関心を持っている人が相対的に多いのではないだろうか。
充実した施設
韓国と他国を比較した時、身近な施設の捉え方が違っている点も挙げられる。インターネットカフェの存在である。
例えば日本でのインターネットカフェは漫画喫茶と混在した存在だ。ずらっと並んだ漫画を、PCが常設されているスペース内で読むことができる、という点が評価されていることだろう。
一方韓国のインターネットカフェは、漫画など置いておらず、皆がオンラインゲームに興じている。値段も日本に比べて控えめで、何時間もPCに張り付き、MMORPGやRTS、FPSにTPSとその光景はeスポーツの養成所かと思わんばかりである。
ソウルeスタジアムはすべてのeスポーツを詰め込んだ夢の施設
韓国、サンアムDMC内のS-PLEX CENTER(エスプレッスセンター)内にあるのがソウルeスタジアムだ。メイン競技場のOGN GiGaアリーナはeスポーツ競技場としては韓国国内で最大級の規模を誇っている。
ここでは年中LoLやオーバーウォッチなどの試合とその中継が行われている。
また、サバイバルアリーナでは「PUBG」などのバトルロイヤルゲームに100人のプレイヤーが参加できるように作られているというから驚き。
韓国の市場規模はどれくらい?
ネットの普及とともにオンラインゲームが一躍ブームに
韓国のゲーム市場は主にオンラインゲームが牽引しており、その市場規模は約6000億円と言われている。海賊版の横行するコンシューマと比較してRMTなどの不正はあるものの、確実に料金を払ってもらえるのが利点だ。
また韓国は国の政策としてブロードバンドの普及を推進したことで、現在は9割以上の世帯でインターネットを利用することに。これらの事情からも、PCのオンラインゲームが主流になったと言われている。
しかしゲームでの過労死などの問題も発生したために、PCのオンラインゲームにはある程度プレイしたら制限がかかるなどの施策が打たれてしまった為に市場規模が減衰傾向になってしまった。
スマートフォンゲームの台頭
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そんなオンラインゲームを尻目にやってきたのがスマホゲーム市場。こちらも約4000億円の市場規模になり、注目される市場になっていった。
国内でも膨大な規模の市場となっているスマホゲームだが、モバイルタイトルのeスポーツ化は活性化し切れていないのが現状。というもの国内外で見ても、例えばPUBGのPC版は大きな盛り上がりを見せているものの、PUBGMobileでの試合規模はあまり大きくないなど、スマートフォン界隈はまだまだこれからのようだ。
韓国に関してはPCやオンラインゲームタイトルをモバイル化する動きが加速しているが、今後モバイル業界がどうなっていくかにも注目していこう。
韓国で有名なリーグ戦、賞金額は?
一人の韓国プレイヤーの賞金額9835786490円!
どういう数字なのかもはやよくわからないが、ざっくりいうと98億円である。
eスポーツが盛り上がるに連れて、もともと大規模な大会が催されるゲームタイトルである「DOTA2」などでは優勝賞金が跳ね上がり、大変なことになっている。
98億円を獲得したのは「フェイカー」と名乗る韓国人プレイヤーで、彼が優勝したゲームタイトルは、全国に1億人ものアクティブユーザーを抱える超大作「リーグオブレジェンズ」だ。
リアルスポーツを上回る賞金が出るeスポーツ
具体的な金額は明らかになっていないが、近年ではもはやサッカーや野球といったリアルスポーツよりも、eスポーツの賞金の方が高くなってしまっているというから驚き。
比較できるものかわからないが、日本の女子ゴルフのトッププレイヤーの賞金総額が39億円とのこと。これが39試合の総額とのことで、98億円がどれだけ壊れた数字なのか、おわかりいただけるだろうか。
韓国eスポーツの歴史を紐解く
韓国初のプロリーグ戦開幕がテレビ局の注目を集める
1999年以前よりゲームのプロによる大会は行われていたと考えられるが、正式にプロゲーマーによるeスポーツリーグが開催されたのは、2000年とのことだ。
そしてその試合の配信にいち早く動いたのはケーブルテレビのツニバース。
ツニバースが主体となってeスポーツのリーグを開催し、専門チャンネルも開設。2000年には「Onゲームネット」が開局され、そのチャンネルでは「StarCraft」リーグの運用を開始。
さらにはサムスンが「World Cyber Games」をスタートし、2001年にはeスポーツに関する配信を行うチャンネル「MBC Game」が開局するなど、eスポーツを国民に普及させるための準備は超スピードで進行していった。
2008年にはリアルタイムのインターネット配信がスタート
韓国におけるeスポーツの盛り上がりは止まらず。ついにインターネット中継が2008年に開始。決勝戦の同時接続数は実に75万を超えるという大盛況の中試合は幕を閉じた。
また、インターネット配信は、韓国だけでなく世界に向けてeスポーツを発信できるため、新たなビジネスチャンスや、eスポーツという概念を世界に広めていくことにも貢献したはずだ。
もはやスポーツを超えたeスポーツ
奨金額が桁違いで、リアルスポーツの選手よりも多額の金銭を確保してしまっているeスポーツ選手。
しかしeスポーツが勝っているのはそれだけではない。ネット配信の同時接続数や、テレビ放送時の視聴率などもリアルスポーツを超えてしまっているのだ。
挙句に政府からのバックアップとして、eスポーツに関する法律ができるなど、韓国でのeスポーツは瞬く間もなく普及していった。これからも常に身近にゲームというスポーツが存在し、幼少期からとことんゲームに馴染んでいるプレイヤーが増えていくことが予想される。
まとめ
なぜ、日本ではなく、韓国がゲームに強いのか。
日本はアメリカのATARIによる「PON」の台頭後、Nintendoが開発、販売したファミリーコンピュータで一世を風靡し、ゲームといえば日本。と世界に知らしめた。数多くの名作が生まれ、今も「レトロゲー」とフィーチャーされることが多いではないか。
にも関わらず韓国やアメリカなどのeスポーツ先進国と比較すると、日本のeスポーツ事情はあまり良いものと言えないだろう。ゲームは遊び、とバカにする世代がいることは確かだが、そんなものは放っておけばいいのである。
どちらかというと、現代の若者にはハングリー精神が足りないと言われる。それも一因を担っていることだろう。
しかし逆境に強いのが日本人である。敗戦国だが、高度経済成長期に一気に飛躍したのが日本である。このまま枕を涙で濡らすばかりではないと信じて、今日もPCの電源を付けようじゃないか。
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