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アメリカのeスポーツ大会の賞金額は?
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そんなアメリカのトッププレイヤーであるUNiVeRsE氏の賞金額は2019年5月27日現在の日本円で実に33261110915円(約332億円)もの賞金を稼いでいる。
彼のeスポーツタイトルは「DOTA2」で、最もeスポーツの中でも盛り上がっているタイトルだとは言え、この金額には驚きを隠せない。
しかしこれでも彼の賞金ランキングは第9位であり、第1位のドイツ人選手ともなると約420億円を記録しているなど、eスポーツの世界的な勢いは一切の衰えを見せずに驀進している。
関連記事→『eスポーツとは?10項目からe-Sportsがどんな競技なのかを紹介!』
アメリカのeスポーツの現状に迫る
現在アメリカのeスポーツは日々増大しており、その市場規模は日本円で760億円にも登る。
現在は大規模なeスポーツ大会がいくつも開催されており、現地に集合したファンだけでなくネット中継や関連タイトルの人気などの効果で常に視聴者側も拡大の一途をたどっていく一方だ。
アメフトやバスケットボール並の規模感
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前述した通り、eスポーツの隆盛は急速に拡大している。その勢いはプロバスケットボールのNBA、メジャーリーグなどに肉薄するところまで上り詰めており、特に学生間での人気、及び認知度の高さが目立つ。
現在は約20もの州にて開催されているeスポーツチャンピオン大会だが、最初のシーズンでは25000人もの学生が参加しており、全国大会となれば多くの観客とネット配信でのリスナーが詰め寄るなど、アメリカンフットボールなどの試合に近い盛り上がりを見せている。
eスポーツを高校の部活動として認定!
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2018年にはNFHS(全米州立高校協会)が、eスポーツを公式のスポーツ種目として登録した。
実際に高校への導入は期待できる点やメリットが多く、これまで社会性が低いと思われていた学生たちがeスポーツ部で活躍することによって自尊心を育める点や、部室とPCなどのハード面を用意してしまえばすぐに活動できるなど、コスト面でも優秀。
また、eスポーツと娯楽のゲームの違いとして、ルールと審判が存在する、れっきとしたスポーツであることが挙げられる。
そしてeスポーツとしてプレイするタイトルにはチームとして束ねられたプレイヤーたちが協力してミッションを達成し、勝利することが目的。そのため社会性の向上に関しても期待されている。
実際にマサチューセッツ州の高校にてこれまでリーダーシップがあるとされていなかった学生が、eスポーツのリーダーに認定されてからというものの戦略の考察やチームワーク、リーダーシップを学ぶことにより自信を持ち、結果的には学問での成績も向上したというデータがある。
ゲームで競って大学の奨学金が貰える
高校生向けeスポーツの公式プラットフォームを提供する企業であるプレイ・バーサスによれば、約200の大学がeスポーツに関する奨学金を提供しているとされている。
つまりプレイ・バーサスの提供するプラットフォームでの実績が将来大学に進学する際の推薦や奨学金に繋がっていくということだ。
実例としては、カルフォルニア大学のアーバイン校では、まずオーディションを経てチームに加入、その後奨学金のオファーをもらう、というシステムが確立している。同校の発表によれば、2018年段階のeスポーツ奨学生は23人在籍しているという。
アメリカの競技人口は?
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現在アメリカのプロアマ含めた広義でのeスポーツ競技人口は明らかになっていないが、世界的な大会への出場者という点ではアメリカは10000人超えと、2位である中国の3000人に大きな差をつけてトップに立っている。
また、アメリカのプロリーグ出場者の多い理由には、世界規模の大会の中でも最高額に近い賞金総額の大会がアメリカ本土で多く開催されていることも貢献している。
2018年のデータによれば、賞金総額の高いeスポーツ大会ベスト10の中の5大会がアメリカで開催されているという。国内で大規模な大会が行われていることも、参加プレイヤーの輩出や熱狂的なファンを数多く生み出している要因のひとつと言えるかもしれない。
アメリカでのeスポーツの歴史
1972年、初のゲーム大会が開催される
そもそもeスポーツと正式に定義される前より、ゲームによる試合、大会は多く行われている。対戦形式のゲームさえなかった時代はハイスコアを競ったりするなど、一定の基準でプレイヤーたちの勝敗を決めていた。
一番最初に行われた大会は1972年、スタンフォード大学が、世界初のシューティングゲームと呼ばれる「Spacewar」というタイトルの大会を開催。
その後はATARIというアメリカ初のゲーム制作会社が現在も名作と名高い「スペースインベーダー」による大会が催し、タイトルの知名度なども相まって実に1万人ものプレイヤーと観客が参加したとされている。
やがて1981年になると、ゲーム業界の世界記録を管理する機関である「Twin Galaxies」が設立。当時大人気だったゲームのハイスコアを公式に記録していた。1990年代にはゲームの大会自体が本格的に盛り上がり、プレイヤーのプロ化も同時に進んでいく。
ゲーム大会からeスポーツへの遷移
特に競技性の高いゲームタイトルが数多く輩出されたことも後にeスポーツと呼ばれる概念を形成するのに大きく貢献している。
日本が誇る「ストリートファイター2」や、FPSの「Doom」などが人気を博し、中でもDoomは複数人でゲームができるようにローカルエリアネットワークを使用した最初のeスポーツタイトルとなった。
その後は「StarCraft」の登場や、競技性に特化した「Quake3」などのeスポーツタイトルが生まれ、eスポーツの概念は定着していく。
そんなプレイヤーの中には複数の会社をスポンサーとして活躍している、今でいうプロゲーマーのはしりとされる人物も誕生していた。
メジャーとなっていく「eスポーツ」
インターネットの普及、通信速度の向上によって世界中のプレイヤーと対戦することができるようになってからというものの、アメリカだけではなく、世界的なゲームプレイヤーのプロ化が徐々に進行していく。
そんな中アメリカでは2000年から、年に1回の世界大会「World Cyber Games」「Electronic Sports World Cup」が開催されるようになり、2002年にはeスポーツ界隈でも最大級のリーグである「Major League Gaming」が開設された。
多くのタイトルを多くの人々と競い合うことができ、上位入賞者には破格の賞金が出ることで一気に知名度が上昇するなど、eスポーツはいよいよ世に認められていくことになる。
まとめ
現在のアメリカは、eスポーツを積極的に教育の現場に採用していくなど、eスポーツに対してかなり好印象と期待感を持っていることがわかる。
ただそれは歴史を紐解いた時、実に40年前から行われていたゲームの大会を原点とするたくさんのプレイヤーに支えられてのことだとわかった。これだけの歴史があるからこそ、ゲーム、eスポーツに対して深く理解することができている。
恥ずかしい話だが、筆者は洋ゲーの対人戦をメインとしたタイトルに対して「なんか海外の人って対人好きよねぇ」ぐらいにしか思っていなかった節がある。
競技性の高い作品群で、幾度となく個人で戦い、大会で戦ってきた戦闘民族は伊達ではないようだ。
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