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eスポーツの実況とは?専門で活動している元アナウンサーやプロ実況を目指す専攻学科も!

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出典:OCA大阪デザイン&IT専門学校

eスポーツ界における実況とは?

ゲームセンターで開催されるような個人レベルの大会であれば、タイトルへの造詣が深い主催者や店舗の従業員が実況を担当する。この場合、ゲームに沿った専門的な実況、解説が行われる。

eスポーツの実況を担当するのであれば、それと同等以上に試合の状況を簡潔に説明しつつ、熱の込もったコメントで試合を盛り上げる、といった高度な解説が必要になる。

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展開を予測し、試合の流れをリアルタイムで伝えるからこそ臨場感や選手、観客の興奮を増幅させることができる。

逆に有名でも知識の少ないアナウンサーなどを起用してしまうと、実況解説共に内容の薄いものになりがち。eスポーツの隆盛と共に、ゲームに詳しい実況者が求められるようになった。

eスポーツ界に足りなかったのは、プロによる実況

Photo by CoWomen from Pexels

従来のスポーツであれば最低限ルールを把握している実況者が基本的に発言し続け、状況が落ち着いたタイミングで解説に話を振る、といった流れが多い。最近では公式サポーターなどでタレントが実況者の横で感想を述べるといったシーンが垣間見え、それはそれでまた内容を薄めているのではと思うが……。

一方eスポーツの実況ではプレイ中に詳細な状況を説明しつつ、それに引っ掛ける形で解説との対話が成立していると非常に整って見える。

戦略が重要なタイトルの場合、その展開は非常に細かくなってくる。逐一解説が入ることで状況を認識しやすくなるのだ……が、それを実際に行うことができる人材はごくわずかな上に、あらゆるタイトルで同じことができるとは言い難い。

大規模化していくeスポーツ大会で求められるのは「プロとしてeスポーツタイトルの実況ができること」。そういった専門家を国内では「eスポーツキャスター」という肩書きの元で育成を進めている。

ゲーム実況のプロに任せるメリット

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Photo by Todd Poirier on Unsplash

ゲーム実況のプロ、つまり前述したeスポーツキャスターであれば、試合の現状を巧みに解説し、スーパープレイや予想外の展開が発生した時にリアルタイムでプレイヤーと共に観客を盛り上げることが可能。

大会の成功は実況者としての技術が大きく影響するため、プロに任せるのが一番安定した運用になるだろう。

また海外で開催されている大きなeスポーツ大会などの中継がeスポーツキャスターの存在によって日本語の実況で配信される可能性が出てくる。

そうなれば、英語が苦手とされる国内でも気軽にeスポーツ大会を楽しむことができるようになるはずだ。

アナウンサーとキャスターの違い

各メディアでも同じニュアンスで使いがちなこのふたつの肩書きだが、実際にはその役割は大きく異なってくる。

一般的にアナウンサーというのはニュースで原稿を読み、番組の司会やスポーツの実況、ナレーションなどを担当するポジション。明瞭な発声で情報を提供する、いわば伝達役である。

変わってキャスターはイギリスでは「プレゼンター」と呼ばれるポジション。主な役割は物事の解説、評論を交えつつ番組の司会進行を行うことで、情報から読み取れる要素を分析し、いかに噛み砕いて観客に伝えられるかが重要になる。

以上の差異から国内ではゲーム実況のプロを「eスポーツキャスター」と定義している。

株式会社オデッセイがプロを育成中

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出典:株式会社オデッセイ

現在eスポーツキャスター、あるいはそれを志す人がどの程度いるのかは明らかになっていない。

しかしかつて放送局所属アナウンサーであり、野球の実況では最優秀賞を受賞したことで有名な平岩康佑(ひらいわこうすけ)氏が2018年6月に所属していた放送局を退職し、eスポーツキャスターを名乗り始めたのがその先駆けとなっている。

現役時代からゲームイベントでの実況経験もある同氏は自身が代表である株式会社オデッセイにてeスポーツの実況を専門としたタレントや、前述したeスポーツキャスターなどの人材育成を行っている。

他にも、eスポーツイベントのコンサルティングやタレントの育成、中継制作も依頼可能とあるので、eスポーツイベント全般が行えるような企業を目指しているようだ。

大阪の専門学校では専門学科が設立

まだ定義されてから1年も経たない新しい概念にも関わらず、eスポーツキャスターを育成しようという動きはオデッセイに限らず他の組織でも進んでいる。

現在大阪にある専門学校「OCA大阪デザイン&IT専門学校」では、将来的にeスポーツキャスターとなりうる人材を育成することを目的のひとつとした学科、専攻であるeスポーツ学科プロゲーマー専攻とイベントスタッフ専攻の学生を募集している。

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出典:OCA大阪デザイン&IT専門学校

プロゲーマー専攻では、プロゲーマーとしての育成をメインに据えているものの、プロとしての実況席への招待なども考えられるので、英会話やeスポーツ全体への造詣を深めるeスポーツ基礎論といったカリキュラムを学ぶことがで可能。

またイベントスタッフ専攻では、eスポーツ大会並びにイベントを作り上げる専門家の育成を中心としたカリキュラムとなっており、2年次のカリキュラムでは実況基礎や、海外に向けた英会話など、eスポーツキャスター候補としての教育が充実している。

まとめ

冒頭でも述べた通り、eスポーツ界隈、特に国内ではeスポーツキャスターも含め、人材が充実しているとは言えない状況が続いている。

以前別の記事でも触れたが、eスポーツ公式団体JeSUによるプロライセンスの交付も最近ようやく始まったといった状況なので、まずはプロゲーマーそのものを徐々に増やしていかなければならない段階であることは間違いないだろう。

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日本はeスポーツに関しては他国に遅れをとってしまっている。本気でeスポーツに取り組んでいくのであれば、最低でも実力、規模を世界水準に到達することを目指さなければならない。

そんな中でプレイヤーと同時進行でイベントスタッフ、ゲーム実況のプロであるeスポーツキャスターが育ってくれれば業界を盛り上げていくことは充分に可能と思われる。

特に今回取り上げたeスポーツキャスターに関しては、海外の大会の様子を日本語で実況してくれるというメリットが大きい。

eスポーツ自体の認知度が上がった暁には、なにかしらのテレビ局が番組で取り上げる、あるいは試合の模様を中継してくれる際にも対応できることになるだろう。

国内eスポーツ業界がまだ盛り上がっていないと悲観する方もいるだろうが、今はまだ今後展開されるチャンスを予測し、確実に確保していける環境を整備中だ。国内でのeスポーツは、まだこれからなのである。

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